【2025年版】タイでは健康に害がある体に悪い大麻がたくさん売られてる事実
タイで大麻が合法化されてから、市場は一気に拡大した。街のあちこちにディスペンサリーが並び、誰でも気軽に手に入るようになった一方で、裏では健康被に害をきたす体に悪い“ケミカルまみれの大麻”も街中では急増している。なぜそのような体に良くないクオリティーの悪い大麻が市場にたくさん流れているのか?その理由は違法大麻農家が育てた格安ケミカル大麻がたくさん市場に流れているからだ。
2025年6月、タイ政府は大麻産業に関する法律を改正し、すべての栽培者に「GACP(Good Agricultural and Collection Practices)」ライセンスの取得を義務づけた。この背景には、法整備が追いつかない中で乱立した違法農家の存在がある。多くの農家は正式な知識も設備も持たず、短期間で“形や香りの良い大麻”を作るために、化学肥料や成長促進剤を過剰に使用していた。
GACPとは、医療用ハーブや大麻を「安全で一貫した品質」で生産するための農業ガイドラインで、栽培から収穫・乾燥・保管までの工程管理を求める国際基準のこと。
例えば本来であれば数週間かけて開花させる工程を、無理に早めて収穫することで見た目だけを整えた大麻が大量に市場へ出回った。その結果、品質は低下し、健康リスクを伴う“ケミカルまみれ”の花が増加。さらに、法改正を前に事業を畳む農家が在庫を処分する形で大麻を格安で放出したため、卸価格が一気に崩れた。こうした流れが重なり、タイ全土で価格破壊が起こり、正規の農家やオーガニック生産者が立ち行かなくなる事態にまで発展した。
知らないってほんと怖い。タイで売られてる多くの大麻がケミカルまみれ。たしかに見た目も匂いも効果も良いけど、発ガン作用があるケミカル肥料で育てた大麻を吸えば体調不良や病気に繋がる。野菜と同じよ。こんな重要なことを多くの人が理解しないで見た目で買ってる…その判断基準、いつか体壊すよ?
— Kei | タイに住む大麻盆栽家 (@smallnycer) October 27, 2025
そして、このケミカル大麻が市場に流れてる問題は実は今でも継続して大きな問題になっている。
この記事では、そうした現場で実際に起きたこと、そして僕が直接聞いた“大麻農家たちの怒り”をもとに、タイで今起きている「ケミカル大麻問題」の実態を記していく。
目次
健康に悪い“ケミカル大麻”とは何か?残留農薬・重金属・化学肥料の実態

ディスペンサリーに並ぶ花の多くは見た目が美しく、香りも強いが、その裏で深刻化しているのが“ケミカルまみれ”の問題。本来、大麻は土壌中の栄養を吸収しながら育つ繊細な植物で、環境に含まれる化学物質の影響を受けやすい。 しかし、競争が激化するなかで、登録を受けていない農家や未経験の栽培者が、短期間で収穫量を増やすために強力な化学肥料や成長促進剤を多用するケースが増えている。
このケミカルまみれの大麻を吸引すると、煙と一緒に体内へ取り込まれ、頭痛・吐き気・喉の刺激などを引き起こす可能性があるほか、長期的には肝臓や神経系への負担にもつながると指摘されている。
つまり、どれだけ見た目がきれいで香りが良くても、安全とは限らないということだ。THCの数値やパッケージの美しさよりも、“どう育てられたか”を知ることが、これからのタイ市場で最も大切な視点になっている。
非登録農家の使用する成長促進剤・化学肥料の危険性
タイでは、大麻の栽培登録制度が整備されているものの、実際には多くの“非登録農家”が市場に参入している。こうした生産者の一部は、コスト削減と収穫スピードの向上を目的に、強力な化学肥料や成長促進剤(PGR:Plant Growth Regulators)を使用している。これらの薬剤は、花のサイズを大きく見せたり、短期間で開花を促したりする効果がある一方で、安全性に関する検証が不十分なものも多い。
PGR(Plant Growth Regulators:植物成長調整剤)とは、植物の成長スピードや形をコントロールするために使われる化学物質です。もともとは農業用に開発され、トマトや果物のサイズをそろえたり、収穫時期を早めたりする目的で使われてきました。大麻栽培においては、短期間で花を大きく見せたり、見た目を美しく仕上げたりするために使われることがありますが、過剰に使用すると花に化学残留物が残り、燃焼時に有害ガスを発生させるリスクがあると指摘されています。
大麻は土壌中の元素を吸収しやすい“ハイパーアキュムレータ”として知られており、過剰な肥料や薬剤を使うと、カドミウム・鉛・ヒ素などの重金属まで取り込んでしまう危険性がある。こうして育てられた花は検査を経ずに流通することが多く、消費者が知らないうちに有害物質を吸い込んでしまうリスクが高い。つまり、非登録農家の“早く・安く・多く”という栽培手法が、品質と安全性を犠牲にしているのが現実だ。
THC濃度だけでなく“農薬汚染”が深刻化
大麻市場では従来、主に Tetrahydrocannabinol(THC)濃度の高さが「品質」「効力」の指標として重視されてきました。しかし、実際にはそれ以上に “農薬・化学薬剤・重金属” といった汚染物質の問題が深刻化しています。
例えば、タイ国内で実施された研究によれば、法令登録外の大麻・ヘンプ製品が、重金属・農薬・微生物による汚染を含んでいたという報告があります。特にカドミウム、鉛、ヒ素などは、土壌や水源から植物へ移行しやすく、大麻がそれらを取り込む“ハイパーアキュムレータ(高蓄積植物)”としての性質を持っているという研究もあります。
更に、タイの農産物全般をみると、野菜等においても農薬残留基準(MRL)を超えるケースが約35〜70%存在するという調査結果もあり、農薬管理体制の脆弱性が明らかです。
このような背景下では、THCの数字だけを見て安心することは危険で、むしろ「どのような薬剤や化学処理を経て育てられたか」「重金属検査・残留農薬検査を経たか」といった“見えない指標”こそが、安全な使用において不可欠です。
“少量なら大丈夫”は危険な勘違い!化学汚染は「蓄積する」
「少しのケミカル大麻なら問題ない」という意見を耳にするが残留農薬や重金属といった化学物質は一度体に入るとすぐには排出されず、蓄積する特性がある。特にカドミウムや鉛などの重金属は、肝臓・腎臓・神経系に長期的なダメージを与え、少量の摂取でも時間をかけて体内濃度が上がる。危ないっしょ?
— Kei | タイに住む大麻盆栽家 (@smallnycer) October 29, 2025
「少しのケミカルくらいなら問題ない」「気にしすぎ」という意見を耳にすることがある。だが、それは科学的に見て極めて危うい考え方だ。残留農薬や重金属といった化学物質は、一度体に入るとすぐには排出されず、蓄積していくという特性を持っている。特にカドミウムや鉛などの重金属は、肝臓・腎臓・神経系に長期的なダメージを与え、少量の摂取でも時間をかけて体内濃度が上がっていくことが知られている。
さらに、大麻の場合は「加熱して吸う」という摂取方法にも問題がある。燃焼時には残留農薬やPGR(植物成長調整剤)が化学反応を起こし、発がん性物質や有毒ガス(ホルムアルデヒド、シアン化水素など)を生成することが報告されている。これは食べ物のように消化器を通して分解されるものではなく、直接肺から血流に入るため、吸収率が非常に高く、影響も大きい。つまり「少量だから平気」ではなく、「少量でも肺からダイレクトに吸収される」点が本質的なリスクなのだ。
健康被害は“その場では感じない”ことが多く、慢性的な疲労、免疫低下、ホルモンバランスの乱れなど、数ヶ月〜数年単位で現れるケースもある。だからこそ、“少量ならOK”という楽観的な発想は、短期的な快楽を優先して長期的な健康を犠牲にしているに過ぎない。
体に悪い大麻を見極める方法

大麻が合法になったタイでは、誰でも簡単に花を手に入れられるようになった。しかしその自由さの裏で、“ケミカルまみれ”の危険な花も数多く出回っている。見た目がきれいで香りが強くても、安全とは限らない。ここでは、現場で実際に流通している大麻を見てきた経験をもとに、「体に悪い大麻」を見分けるためのポイントを紹介する。
1. 不自然な見た目─「ギラギラ・カチカチ」は要注意
PGR(植物成長調整剤)を使った大麻は、花が異常に硬く、トリコーム(樹脂)がギラついて見える傾向がある。手で触ると油っぽくベタつき、自然乾燥のものよりも香りが人工的で強すぎることが多い。また、燃やしたときに煙が刺激的で、喉が焼けるように痛い場合は化学物質が残留している可能性が高い。
2. 香りが強すぎる・人工的に甘い香りがする
自然に育てられたオーガニック大麻は、品種特有の草や柑橘、スパイスの香りが柔らかく広がる。一方、化学肥料を過剰に使った大麻は、香りが「香水のように」強く、むせ返るほど濃い匂いを放つことがある。とくに「焦げた甘さ」や「プラスチックのような匂い」がある場合は、化学残留や農薬の可能性がある。
3. 煙が重く、吸ったあとに喉や胸が痛くなる
吸引時に喉や胸に強い刺激がある場合、それは単なる“強いTHC”ではなく、燃焼によって農薬やPGRがガス化しているサインかもしれない。特にパクロブトラゾールなどのPGRは、燃えると毒性のあるガスを発生することが報告されている。体に悪い大麻ほど煙が重く、後味に“化学的な苦み”が残る傾向がある。
4. ラボ検査結果が不明瞭な店では購入しない
信頼できるディスペンサリーは、販売する大麻に対して「ラボ検査証明(Certificate of Analysis)」を提示している。そこにはTHC・CBDの数値だけでなく、農薬・カビ・重金属の検査結果が明記されているはずだ。ラボデータがない、あるいは数値だけを掲示して“検査済み”とうたう店は注意が必要だ。
5. 値段が極端に安い花は疑ってみる
品質の良いオーガニック大麻は、栽培コストも高く、手間も時間もかかる。市場価格を大きく下回る“格安の花”は、短期間で化学的に育てられた、もしくは在庫処分された可能性がある。安さよりも「安全に吸えるかどうか」を優先することが、長期的に自分の健康を守ることにつながる。
6. オーガニック表示を過信しない
“Organic”や“Clean Weed”と書かれていても、必ずしも安全とは限らない。タイではまだオーガニック認証制度が完全には整っておらず、実際に農薬不使用かどうかを公的に証明する仕組みがない。信頼できるのは、栽培者本人の顔が見えるローカルブランドや、GACP認証を取得しているファームだけだ。
“オーガニック大麻”という言葉の落とし穴
タイの大麻シーンでは、「オーガニック」という言葉がブランドのように使われている。パッケージや店頭ポップに“100% Organic”“Clean Weed”と書かれているだけで、安心して購入する人も多い。しかし、実際には“オーガニック”を名乗るための統一基準も、検査制度も存在していないのが現状だ。つまり、その言葉には法的な裏付けがない。
実際、僕が現場で話を聞く中でも「オーガニック肥料を使っているから安全」と言いながら、同時に成長促進剤や化学栄養剤を併用している農家も少なくない。見た目や香りを良くするために、一部の工程だけ自然素材に切り替えて“オーガニック栽培”と呼んでいるケースもある。
本来のオーガニック栽培とは、土壌の健康を守り、自然循環の中で植物を育てることに重点を置く。つまり、単に「化学肥料を使わない」ことではなく、「どんな環境で、どんな管理体制のもとで育てたか」が重要だ。残留農薬や重金属が検出される“オーガニック大麻”が存在するのは、この意識のズレが原因だ。
なぜ“ケミカル大麻”は格安で売れるのか?安さの裏にある仕組み
タイの大麻市場では、見た目も香りも悪くないのに、相場の半額以下で売られている花をよく見かける。多くの消費者は「安くてラッキー」と思うかもしれないが、その裏には明確な理由がある。
まず、ケミカル大麻は短期間で大量に生産できる。化学肥料や成長促進剤(PGR)を使うことで、通常よりも開花期を数週間短縮し、収穫回数を増やすことができる。自然栽培が1年に3〜4回しか収穫できないのに対し、ケミカル栽培は5〜6回以上も可能なケースがある。これがコスト削減と在庫過剰を招き、結果的に価格を押し下げる最大の要因だ。
さらに、非登録農家の多くは設備投資やライセンス取得のコストをかけていない。GACP認証を受けたファームでは衛生管理や検査に莫大な費用が必要だが、違法・未登録の生産者はその工程をすべて省略している。つまり、“安い”というより“安全管理を省いたコストカット”の結果でしかない。加えて、2025年の法改正を前に多くの農家が事業を畳み、在庫処分として市場に流した格安大麻が大量に出回ったことも価格崩壊の一因となった。
見た目は変わらなくても、その安さの裏には“育て方・管理・安全性”を削ったコスト構造がある。つまり、格安の大麻ほど、本来支払うべき「手間」と「安全管理のコスト」を削っているということだ。
“ケミカル”が悪ではない!科学的に安全な使用もある
「ケミカルまみれの大麻=体に悪い」というイメージが広がっているが、実際にはすべての化学物質が危険というわけではない。栽培の現場では、自然肥料だけで安定した品質を維持することが難しいため、ミネラルや微量元素を補う目的で化学由来の栄養剤を少量使用することもある。こうした“管理されたケミカル”は、使用量とタイミングを守れば植物の健康を支える要素となり、人体への悪影響を及ぼさないことが科学的にも確認されている。
その通りだと思います、ケミカルが全て悪いわけじゃないですが、発癌作用などのある健康被害が出るケミカルを使ってる大麻が良くないと言ってます
— Kei | タイに住む大麻盆栽家 (@smallnycer) October 28, 2025
たとえば、カルシウムやマグネシウムといったミネラル補給剤、またはpH調整のために用いられる弱酸性溶液などは、いずれも農業用として世界中で使われており、燃焼時に有害物質を発生させることもない。一方で、パクロブトラゾール(Paclobutrazol)やダミノザイド(Daminozide)のような成長抑制系PGRは、燃焼時に有害ガスを発生させることが分かっており、欧米の一部州では使用禁止になっている。つまり、“ケミカル”という一括りの中にも、人体に無害な栄養補助剤と、有害な成長促進剤(PGR)が混在しているのだ。
自分がケミカルまみれと言ってるのは有害なケミカルで作られた大麻のことを指していて、多くのディスペンサリーが取引先のファームを熟知してなかったり、格安で購入して儲けるためのケミカル大麻を売っていたりというのが現実です。
大麻を初めてタイで吸う前にケミカルまみれの大麻が市場にたくさん流れてることを知ってからタイに一服しに行きましょう!
Kei
大麻盆栽家
タイに移住後にCookiesやGreenHouseやRoyke Queens Seedsなどの有名ディスペンサリーやHighLindやPhuket Cannabis Cupなどの大麻盆栽を展示を経験後に2025年に大麻盆栽ギャラリーをバンコクにオープン予定。大麻盆栽以外にもハンドメイドの喫煙器具なども作っています。詳細はコチラ
※この記事は2025/10/29に公開した情報になります。
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