THC・CBD・CBGの違いとは?初心者でもわかる効果・合法性・選び方ガイド
大麻の話題を聞くと、「THC」や「CBD」という言葉をよく耳にするようになりました。最近ではそこに「CBG」という新しい成分も加わり、世界的に注目を集めています。けれど、それぞれがどんな働きを持ち、どう違うのかを正しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか?
THCは「ハイ」を生み出す精神活性成分、CBDはハイにならず体を整える調整役、そしてCBGはTHCやCBDのもとになる“母なるカンナビノイド”と言われており、それぞれが異なる働きを持ちながら、互いに作用し合うことで大麻の効果が形づくられています。
目次
1:THC・CBD・CBGとは?3つの代表成分とその違いをまとめて解説
大麻には「カンナビノイド」と呼ばれる100種類以上の化合物が含まれています。その中でも特に注目されているのが、THC・CBD・CBGの3つです。これらは単なる成分の違いではなく、それぞれが体や心に働きかける“方向性”がまったく異なります。
エンドカンナビノイドシステム(ECS)は、人間を含む哺乳類の体内にある「バランスを保つ仕組み」です。神経・免疫・内分泌などの働きを調整し、気分、睡眠、食欲、痛み、免疫反応などを整えます。体内で作られるカンナビノイド(内因性カンナビノイド)が受容体(CB1・CB2)に作用し、心身の恒常性(ホメオスタシス)を維持する役割を担っています。
実はこの3つの成分であるTHC・CBD・CBGはすべて「カンナビノイド」と呼ばれる、大麻植物が自然に生み出す化合物の一部です。人間の体には“エンドカンナビノイドシステム”と呼ばれる仕組みがあり、これらの成分がそのシステムと結びつくことで、リラックス・集中・痛みの緩和など、さまざまな効果をもたらします。
THC(テトラヒドロカンナビノール)|脳に作用し“ハイ”を生み出す成分
THCは、大麻特有の「ハイ」や「多幸感」を引き起こす代表的な成分です。脳内のCB1受容体に直接結合し、神経伝達のバランスを変えることで感覚が鋭くなったり、音楽やアートが鮮明に感じられたりと、感性を高める働きがあります。
一方で、摂取量や体調によっては不安感・心拍上昇・焦燥などの副作用が出ることもあります。これが「効きすぎ」の状態です。つまりTHCは“量のコントロール”が非常に重要な成分と言えるでしょう。
医療分野では、THCの鎮痛作用・食欲増進・吐き気の緩和などが研究されており、がん治療や慢性疼痛の補助としても活用が進んでいます。ただし、日本ではTHCを含む製品はすべて違法とされており、合法的に使用できるのは海外の一部の国のみです。
THCは「強さ」と「創造性」を引き出す一方で、適量を誤ると不安定にもなりうる。まさに、使い方次第で善にも悪にも変わる“二面性を持つ成分”なのです。
CBD(カンナビジオール)|ハイにならず、体と心のバランスを整える
CBDは、THCと違って脳を刺激しない非精神活性成分です。つまり、ハイにならずにリラックス効果をもたらす天然の調整役。体内のCB1・CB2受容体と間接的に作用し、自律神経・ホルモン・免疫のバランスを穏やかに整えます。
不眠・ストレス・不安・筋肉の緊張・炎症など、現代人が抱える不調の多くに対して緩やかにアプローチできるのが特徴です。特に睡眠の質を高めたい人や、心を落ち着けたい人に適しています。また、CBDにはTHCの過剰な作用を抑える“バランサー”としての役割もあります。そのため、THCとCBDを一定比率で配合する製品は「より穏やかな体験を得たい」人に人気です。
日本では合法的に使用可能で、オイル・グミ・スキンケア・バームなど幅広い製品があります。副作用がほとんどなく、初心者でも安心して試せるのがCBDの最大の魅力です。
CBG(カンナビゲロール)|THC・CBDのもとになる“母なるカンナビノイド”
CBGは「マザーカンナビノイド(母なるカンナビノイド)」と呼ばれる成分で、植物が成長する過程でTHCやCBDに変化していく“原料”のような存在です。つまり、THCやCBDが生まれる前の“起点”となる成分です。
近年の研究ではCBGが脳の神経保護作用・抗炎症・集中力の向上・消化器系のケアなどに役立つ可能性があることがわかってきました。ハイにはならず、CBDよりも“活発でクリアな感覚”をもたらす傾向があります。世界的には「CBDよりも昼間向き」「集中力を高めたいときに適している」として注目されており、次世代CBD”とも呼ばれています。日本でも合法成分として流通しており、CBDオイルのブレンド製品に少量含まれることも多いです。
THC・CBD・CBGはそれぞれ異なる働きを持ちながらも、体内では協調しあい、バランスを取るように作用します。
2:THC・CBD・CBGはどんな効果があるのか?

THC・CBD・CBGはいずれも同じ大麻植物から抽出されるカンナビノイドですが、体や心への影響は大きく異なります。THCは“強い体感”を生み出す作用があり、CBDとCBGは“穏やかに整える”方向へ働きます。どれが優れているというよりも、どんな目的で使うかによって最適な成分が変わります。
つまりこの3つは、「リラックス」「回復」「活性化」という三方向から人間のバランスを支えているのです。ここからは、それぞれの特徴と効果をもう少し詳しく見ていきましょう。
THC|多幸感・創造性・痛みの軽減
THC(テトラヒドロカンナビノール)は、大麻の中で最もよく知られた成分です。脳内のCB1受容体に作用して神経の伝達を変化させることで、幸福感・高揚感・感覚の拡張などを引き起こします。音楽が深く感じられたり、時間の流れがゆっくりに感じられるのはこの作用によるものです。
また、THCには痛みを軽減する鎮痛効果や吐き気を抑える効果も認められており、医療現場ではがん治療や慢性疼痛の緩和に利用されています。ただし、過剰摂取すると動悸・不安感・幻覚などの副作用を起こす場合もあり、「少量で止める」ことが安全に楽しむ鍵です。
日本ではTHCを含む製品は違法ですが、医療大麻として合法な国では、心身を解放する“クリエイティブツール”としても親しまれています。
CBD|ストレス緩和・睡眠改善・炎症の抑制
CBD(カンナビジオール)は、ハイを引き起こさずに心と体を穏やかに整える“癒やしの成分”です。脳の受容体に間接的に作用し、ストレスや不安を和らげ、自律神経のバランスを整える働きを持ちます。
特に注目されているのが、睡眠の質を改善する効果と炎症の抑制作用。CBDを摂取することで眠りにつきやすくなり、朝の目覚めがすっきりしたという報告も多くあります。また、炎症や痛みをやわらげる働きから、スポーツ後のリカバリーや肌のトラブルケアにも活用されています。
CBDは依存性がなく副作用もほとんどないため、初心者にも安心して使えるのが最大の特徴。日本でも合法的に購入でき、オイル・グミ・クリームなど用途に合わせて選べます。まさに“心を整える自然のサプリメント”といえる成分です。
CBG|集中・回復・脳の保護など“次世代型”の注目株
CBG(カンナビゲロール)は、近年注目されている“次世代型カンナビノイド”です。THCやCBDのもとになる成分で、植物の初期段階でわずかにしか生成されないため「希少カンナビノイド」とも呼ばれます。
研究では、集中力の向上・疲労回復・抗炎症・神経保護作用などが報告されており、CBDよりも活発で頭がクリアになる体感が得られるといわれています。
また、CBGは腸内の炎症を抑えたり、目の圧力を下げたりと、身体的な機能サポートにも優れた可能性があり、医療分野での研究が進行中です。ハイにならず、日中でも使いやすいCBGは「仕事や勉強に集中したい」「気分を安定させたい」という人におすすめ。
世界では“CBDの次に来る成分”としてブームになりつつあり、自然なエネルギーを与えるナチュラル・ブースターとして注目されています。
3:3つの成分は“組み合わせ”で本領を発揮する
THC・CBD・CBGは単体でも効果がありますが、実は“組み合わせて摂取することでこそ最大の効果を発揮する”ことが近年の研究でわかっています。これを「アントラージュ効果(Entourage Effect)」と呼びます。
アントラージュ効果とは、大麻に含まれる複数の成分(THC・CBD・テルペンなど)が互いに作用し合い、単独では得られない相乗的な効果を生み出す現象です。例えば、CBDがTHCの強すぎる精神作用を和らげたり、テルペンがリラックス効果や香りを高めたりします。このように、成分が“チーム”として働くことで、より自然でバランスの取れた体験をもたらします。
人間の体内には「エンドカンナビノイドシステム(ECS)」という調整機構があり、複数のカンナビノイドが同時に働くことで、その作用がより自然でバランスの取れたものになります。THCが脳に刺激を与える一方で、CBDやCBGがその刺激を落ち着かせ、体と心を穏やかに保つ──この“相互作用”こそが、カンナビスの真の力です。
つまり、「THC=ハイになる」「CBD=落ち着く」と単純に分けるのではなく、“一緒に摂ることで互いの欠点を補い、理想的な体験をつくる”のが正しい理解。この章では、代表的な組み合わせ効果をわかりやすく紹介します。
アントラージュ効果とは?成分が協力し合う相乗作用
「アントラージュ効果」とは複数のカンナビノイドやテルペンが相互作用し合うことで、単体よりも強く、または穏やかに効果を発揮する現象を指します。これはワインに例えるとわかりやすく、ぶどう・酵母・熟成など複数の要素が重なって初めて深い味わいが生まれるように、大麻の効果も“成分のチームプレー”によって生まれます。
たとえば、THC単体では強すぎる多幸感や不安感を生むことがありますが、CBDが一緒に働くことでその作用をやわらげ、「落ち着いたハイ」をつくり出します。またCBGやテルペン(香り成分)も、この相乗作用を補助する“サポート役”として機能します。
科学的には2011年にイスラエルのラファエル・メコーラム博士らが提唱した理論で、現在では医療大麻研究の基礎概念として世界中で受け入れられています。
THC×CBDで「ハイ」と「落ち着き」のバランスをとる
最も知られている組み合わせが、THCとCBDのバランス効果です。THCはハイや創造性を生み出す一方で、不安やパラノイア(被害妄想)を引き起こすこともあります。ここにCBDを加えることで、THCの過剰な刺激を抑制し、安定したリラックス状態を保つことができます。
実際、THCとCBDを「1:1」で含む医療用製品は、がん治療の副作用緩和や不眠症の改善に高い効果を示しています。また嗜好用途でも「集中したいけど焦りたくない」「気分を上げつつ冷静さも保ちたい」といった、“程よいハイ”を求める人に最適です。
CBGがもたらす“THC・CBDの橋渡し的効果”
CBGは、THCとCBDのどちらにも変化する“母なるカンナビノイド”であるため、両者の中間的な作用を持っています。つまり、THCのように脳を刺激しすぎず、CBDのように沈静しすぎない“自然な中庸”をつくり出すのがCBGの特徴です。
THC×CBGでは、集中力を保ちながら穏やかに気分を高めることができ、CBD×CBGでは睡眠やストレス緩和をより安定的にサポートします。また、CBGには神経保護作用や抗炎症作用があるため、「リラックスしながらも冴えていたい」というシーンにぴったりです。
CBG×CBD|“落ち着き”と“クリアな集中”を同時に叶えるコンビネーション
CBGとCBDはどちらも非精神活性成分(ハイにならない)でありながら、作用する経路が微妙に異なります。CBDが「副交感神経を優位にして心身を落ち着かせる」のに対し、CBGは「神経伝達を活性化して集中力と覚醒度を保つ」働きがあります。
この2つを組み合わせることで、リラックスしながらも頭がクリアな“静かな集中状態”をつくり出せるのが最大の特徴です。仕事・勉強・クリエイティブ作業・ヨガ・瞑想など、“落ち着いて動く”活動との相性が抜群です。また、両者には抗炎症・抗酸化・神経保護などの共通した生理作用もあり、ストレスや睡眠の質にも良い影響を与えます。特にCBDがもつ鎮静作用がCBGによって穏やかにサポートされるため、眠気やぼんやり感が出にくく、CBD単体よりも日中の使用に向いているという研究結果もあります。
さらに、CBDとCBGの併用はドーパミンとGABA(神経伝達物質)のバランスを最適化するとも言われており、メンタルケアの新しい手段として注目が集まっています。
4:初心者が安全に選ぶためのポイント

大麻製品を選ぶうえで最も重要なのは、「どんな成分が、どんな形で入っているのか」を理解することです。THC・CBD・CBGなどのカンナビノイドは、それぞれに異なる効果がありますが、同時に「合法性」「安全性」「純度」にも大きな違いがあります。
特に日本ではTHCが規制対象となるため、製品の種類や成分証明を確認せずに購入すると違法になる可能性もあります。ここでは、初心者が安心してカンナビノイド製品を選ぶために欠かせない2つの基本「成分分析証明(COA)」の確認と、「フルスペクトラム/ブロードスペクトラム/アイソレート」の違いについて解説します。
① 成分分析証明(COA)を確認する
どんな製品を選ぶ際も、「COA(Certificate of Analysis)」=成分分析証明書の確認は必須です。これは、第三者の検査機関が製品を分析し、THC・CBD・CBGなどの含有量、残留農薬、重金属、溶剤の有無を証明した公式データです。
THCが合法な国(タイ・アメリカ・カナダなど)では「THC含有率」を明確に示したCOAが安全の証ですが、日本では逆に「THC 0.00%(ND=検出限界以下)」が絶対条件になります。これが明記されていない製品は、たとえCBDやCBGと書かれていても、THCが微量に混入しているリスクがあります。
安心して使いたいなら、公式サイトにCOAが公開されているブランドを選びましょう。
② フルスペクトラム/ブロードスペクトラム/アイソレートの違いを理解する
大麻由来製品は、抽出の方法によって大きく3種類に分けられます。それぞれの特徴を理解すると、目的に合った安全な製品を選びやすくなります。
- フルスペクトラム(Full Spectrum)はTHCを含む“全てのカンナビノイド・テルペン”を保持。医療・嗜好用大麻では主流で、アントラージュ効果が最も高いです。
- ブロードスペクトラム(Broad Spectrum)はTHCのみ除去し、CBD・CBG・CBCなど非精神活性成分を残したタイプ。日本・EUなどの規制国で一般的。合法かつ相乗効果を感じやすいです。
- アイソレート(Isolate)は単一成分(例:CBD 99%)に精製されたタイプで最も安全でクリーンだが、効果が限定的で「味気ない」と感じる人もいます。
つまり、THCが合法な国ではフルスペクトラム、非合法国ではブロードスペクトラムやアイソレートが最適です。目的や居住国によって選択すべきタイプが変わります。
5:まとめ:THC・CBD・CBGの違いを理解すれば“大麻の本質”が見える

THC・CBD・CBGという3つの成分を知ることは、単なる知識の整理ではなく、「大麻という植物をどう捉えるか」を理解する第一歩です。THCは創造性や多幸感を引き出し、CBDは心身のバランスを整え、CBGはそれらの源として脳や体を支える。この3つはまるで、攻め・守り・司令塔のように作用し合っています。
かつて「ハイになるか、ならないか」でしか語られてこなかった大麻も、近年の科学的研究によってその幅広い可能性が明らかになりました。今や世界では、“カンナビノイドの組み合わせで人生の質をデザインする”という考え方が主流になりつつあります。重要なのは、流行やイメージではなく、自分の体質・目的・環境に合った使い方を選ぶこと。
THC・CBD・CBGの違いを理解すれば「ハイかノンハイか」ではなく、「どう整うか」「どう生きるか」という観点で大麻を見つめ直すことができるはずです。
タイで大麻を吸うなら、次に読むべき4つの実用ガイド
この記事を読み終えたあとに「ホテル」「安全」「お店」「最新情報(LINE)」の順で行動できるように、重要な情報だけをまとめています。
Bangkok Dispensary Guide
バンコクで安心して行けるオススメのディスペンサリー
Kei
大麻盆栽家
タイに移住後にCookiesやGreenHouseやRoyke Queens Seedsなどの有名ディスペンサリーやHighLindやPhuket Cannabis Cupなどの大麻盆栽を展示を経験後に2025年に大麻盆栽ギャラリーをバンコクにオープン予定。大麻盆栽以外にもハンドメイドの喫煙器具なども作っています。詳細はコチラ
※この記事は2025/11/13に公開した情報になります。
※当サイトに掲載された情報については、その内容の正確性等に対して、一切保障するものではありません。
※当サイトに掲載された情報については、投稿者の個人的な私感が含まれている場合があります。
※ご利用等、閲覧者自身のご判断で行なうようお願い致します。
※当ウェブサイトに掲載された情報に基づいて被ったいかなる損害についても、情報提供者は一切責任を負いかねます。
