
ヘンプウィックで大麻を吸う理由|ライターより美味しく健康的に大麻を楽しむ
大麻をジョイントにして吸う場合はライターで火をつけるのが当たり前でしたが、今では“どんな火で吸うか”を意識する大麻愛好家も増えています。そんな中で注目を集めているのがヘンプウィック(hemp wick)です。
ヘンプウィックは名前の通り、麻のひもと蜜蝋(みつろう)を染み込ませたこの天然の糸に火をつけることで一見小さな違いに見えても、味・香り・健康への影響は驚くほど大きいです。実はライターの高温燃焼はTHCやテルペン(香り成分)を一瞬で壊してしまううえ、ブタンガスの匂いが煙に混ざることで大麻本来の風味を損ない、健康面でもガスを取り込むのは良くないです。一方、ヘンプウィックの炎は温度が低く、柔らかく、香りに雑味がありません。
火を選ぶという小さな意識の変化が、喫煙文化そのものをクリーンで丁寧なものへと変えていく。そんな新しいスタイルの象徴が、このヘンプウィックです。
目次
ライターよりヘンプウィック(Hemp Wick)の火が美味しく感じる理由
ヘンプウィックで火をつけた大麻はライターに比べて驚くほどまろやかで香りが豊かに感じられる理由が炎の成分・温度・燃焼速度の3つの違いにあります。
一般的なライターにはブタンガスや化学燃料が使われており、点火時に発生するガス臭が煙に混ざることで、本来の香りをわずかに消してしまいます。さらにライターの炎は約900〜1,000度と非常に高温ですが、大麻に含まれるテルペンやカンナビノイドは200〜250度前後で揮発しはじめるため、火が強すぎるとこれらが一瞬で燃え尽きてしまいます。一方、ヘンプウィックは麻繊維と蜜蝋でできており、炎の温度は約600度前後+ブタンガスを含まないため、味に人工的なにおいが混ざらず、香り成分が自然なバランスで楽しむことが出来ます。
ブタンガスの匂いが風味を壊すメカニズム
ライターを使うとき、無意識のうちにブタンガスの燃焼臭を一緒に吸い込んでいます。ブタンは揮発性の高い炭化水素で、燃焼時に二酸化炭素や一酸化硫黄を発生させます。これが煙に混ざることで、ストレイン本来の繊細な香り(特に柑橘系やフローラル系のテルペン)がマスクされ、どこか人工的で金属っぽい味を感じる原因になります。さらに、火を近づけすぎるとブタンガスが完全燃焼せず、未燃成分が残って煙の味を重たくすることもあります。
ヘンプウィックの炎はガスを含まないため、香りを汚す要素がゼロ。吸い込む煙は純粋に大麻そのものの香りであり、煙の中に“異臭”が一切混ざりません。ガス臭に慣れてしまった人ほど、ヘンプウィックに変えた瞬間、そのクリーンな香りに驚くはずです。
燃焼温度の違いが生む“まろやかな香り”
大麻の風味を決める鍵は「燃焼温度」にあります。ライターの炎は非常に高温で、火を直接ジョイントに当てると燃焼が急速に進み、煙が乾きすぎて刺激的になります。一方、ヘンプウィックの炎は約600度前後でゆっくり燃えるため、火が穏やかに広がり、香り成分が時間をかけて放たれるのが特徴です。その結果、吸った瞬間の立ち上がりが柔らかく、喉への刺激も少なく感じられます。
テルペン(香り成分)を守る適温の炎
大麻の香りを形づくるテルペンは、非常に繊細な成分です。リモネンやピネン、ミルセンなど主要なテルペンはおよそ160〜200度で揮発をはじめ、250度を超えると壊れ始めます。つまり、ライターの炎のような高温(約900度)では、テルペンが燃え尽きてしまい、本来のフレーバーが失われてしまうのですが、ヘンプウィックの炎はテルペンの揮発温度に近く、香りを壊さずに“引き出す”ちょうど良い温度です。
そのため、ストレインごとの香りがより明確に感じられ、吸った後に残る余韻まで楽しむことができます。
ヘンプウィックの使い方とコツ
ヘンプウィックはただライターの代わりになるだけでなく、「火の扱い方」そのものを変えてくれるツールです。
初めて使うときは火の安定や角度、燃え方のスピードに少し戸惑う人も多いでしょう。コツさえ掴めば扱いは簡単で、よりクリーンで香り高い喫煙体験が得られます。まず基本となるのは、炎と素材との距離感です。ヘンプウィックはゆっくり燃えるため、焦らず安定した炎を作ることが重要。
強く傾けすぎると蜜蝋が流れ落ち、燃焼が不均一になります。火をつけるときは、ライターの炎を1〜2秒あてて先端を赤くし、安定した状態でジョイントやボウルに近づけましょう。燃やすというより、“優しく点火する”感覚で扱うのがコツです。消すときは指先で軽くつまむか、耐熱トレイで押し消しすればOK。慣れてくると、火を扱う動作そのものが“儀式的”で心地よく感じられるはずです。
火を安定させる距離と角度
ヘンプウィックを上手に使うポイントは、炎を安定させる距離と角度のバランスにあります。火をつけた直後は炎が不安定なので、まずは1〜2秒ほど垂直に保って蜜蝋を均一に溶かし、芯の部分がしっかり燃える状態を作りましょう。
その後、30〜45度ほど傾けると炎が安定し、煙が少なくなります。火を近づけすぎると燃焼が早くなり、逆に離しすぎると途中で消えてしまうため、ボウルやジョイントの先端から約2〜3cmが理想的な距離です。
炎の先端ではなく、中心から少し下の柔らかい部分で点火すると、燃えすぎずに均一な火が広がります。角度を少しずつ調整しながら、自分の吸い方に合った“火のポジション”を見つけてみてください。慣れてくると、竹フィルターやグラスボウルとの距離感も自然に最適化され、まるで自然と一体になったような柔らかな火加減がつくれます。
燃焼スピードの調整と安全な消し方
ヘンプウィックはライターよりもゆっくり燃えるのが特徴ですが、燃焼スピードのコントロールを覚えるとさらに快適に使えます。火を上向きに保つと燃焼が早まり、下向きにすると空気の流れが減って火が落ち着きます。炎が大きくなりすぎた場合は、角度を水平に戻すだけで自然に安定します。
喫煙中に使う分だけ5〜10cmほど出して燃やし、使用後は指先で軽くつまんで消すか、陶器や金属製のトレイに押し付けて酸素を遮断すれば、火を完全に消せます。吹き消すと灰が飛び散る場合があるためおすすめしません。また、火が消えた直後の先端は高温なので、すぐに触れず数秒冷ましてから消しましょう。
“火を選ぶ”という嗜みが新しいカルチャーを生む
ヘンプウィックを使うという行為は、単にライターを置き換えることではなく、自分の吸う時間に“どんな火を使うか”を意識するという新しい嗜みです。
ブタンガスの人工的な炎から離れ、麻と蜜蝋という自然の素材のヘンプウィックの火を使うことで香りを守り、味を整えます。環境や健康を思いやりながら、火の温度ひとつにまでこだわるスモーカーたちが生み出すのは、“クリーンに吸う”という文化の進化形です。
これからの大麻カルチャーは何を吸うかだけでなく、どう吸うかが問われ、その中心にあるのがヘンプウィックのように自然と共に呼吸する火のあり方です。

Kei
大麻盆栽家
タイに移住後にCookiesやGreenHouseやRoyke Queens Seedsなどの有名ディスペンサリーやHighLindやPhuket Cannabis Cupなどの大麻盆栽を展示を経験後に2025年に大麻盆栽ギャラリーをバンコクにオープン予定。大麻盆栽以外にもハンドメイドの喫煙器具なども作っています。詳細はコチラ
※この記事は2025/10/21に公開した情報になります。
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